毎日ゴキゲン♪の法則・スピ編

これからは「自分ファースト」で

薬頼みから、自分頼みへ☆☆☆

※ [Kindle版] はこちら

薬剤師は薬を飲まない
廣済堂出版 (2014/12/10)
売り上げランキング: 36,302

家族が借りてきた本。“薬剤師さんは実は薬を飲まない”と聞いたことがあるので、興味が湧いて読んでみた。
想像以上に面白い本だった。


◆目次◆
はじめに
第1章 なぜ薬は「効く」のか?
第2章 薬を飲んでもあなたの病気が治らない理由
第3章 あなたの身体の中には100人の医者がいる
第4章 間違いだらけの薬習慣
第5章 薬なしでいるための健康な体を育む
おわりに

著者の宇多川久美子さんは自称「薬を使わない薬剤師」。現在は白衣を脱いで、薬を使わず患者さんの健康に貢献する、というちょっと不思議な活動をされている。


もともとは薬局で働いていた著者、日々患者さんと接するうちに「薬は本当に病気を治しているのか?」と感じるようになる。

本当に患者さんを健康にするためには、と悩んだ末に出した結論は「体を動かす、それもウォーキングの指導をする」ということ。

その後、著者が起こした行動はびっくりするくらい大胆だ。ここはぜひ驚いてほしいので書かないが、ウォーキング指導者になるための修業をするうちに、ご自身が薬を必要としない体になれた*1、というのは著者に「薬は手放せる」という確信をもたらしたという。

なるほど、と感じたのは薬の「守備範囲」だ。

 身体や心に不調や不具合が生じた状態のことを病気といいます。
……病気はその原因により、次の3つに分けられます。
1.ダウン症のように遺伝子異常や脳障害が原因となっている先天性の障害。
2.インフルエンザのようにウイルスや細菌などが原因となっている伝染病・感染症。
3.高血圧や糖尿病のように生活習慣の乱れや加齢が原因となっている生活習慣病(P40)

ひとくくりに「病気」と呼んでいるが、それぞれ対処法は違う。薬が大きな成果を上げるのは2の「伝染病・感染症」。

 一方、生活習慣病というのは、自分の生活習慣が生み出した病気です。
(中略)
 生活習慣が原因となっている病気に対し薬ができることは、身体に現れている症状を抑えることです(P41)。

つまり、根本的解決にはならない。やめれば症状は前と同じように出てしまうので、生活習慣そのものを改めるしかないのだ。
著者が訴えているのは、生活習慣病で薬を常用するのはやめましょう、そのために生活を改善しましょう、ということ。


具合が悪くなった時に「自分の状態と向き合うこと」が大切だという。

……薬を服用するときに、「なぜそういう症状が出ているのか?」と自分自身に問いかけてほしいのです。問いかけたところで症状が治まるわけではありませんが、原因を考えるきっかけにはなります。
(中略)
 物事にはすべて原因と結果があります。身体に現れた症状、つまり結果にしか目を向けず、その症状を抑え込んでしまったら、原因を突き止めることはできません。原因がなくならなければ、症状はまた繰り返し現れるのです(P80)。

薬に頼らないということは、「自分の自然治癒力」をいかに発揮させるか、が重要だ。
この本では、そのための考え方や取り組み方、薬なしでも健康でいられる体作りを教えてくれる。


もちろん、薬のメカニズムについてもくわしく解説されている。やはり専門家なので、メリットとデメリット、薬の作用のしかたなどがよくわかる。それだけに「怖さ」も知ることができる。

また、薬に頼りやすい症状(頭痛、膝の痛み、生理痛、風邪や便秘など)がどういうしくみで起こり、どう対処すればいいのかも載っているので、今困っている人には参考になる。


この本を読んでどう感じ、どこまで信用するかは人それぞれだと思うが、薬の専門家がこういう内容の本を書く、というのは一読に値する。
わかりやすくすることを優先したからか、出典がまったくないのがちょっと残念だが、こういう見方もあることを読んで知っておけば、その上で薬を飲むかどうか、どんな時なら飲むか自分で決められる。

「メディカル・リテラシー」を高めるためにぜひ読んでみてください。
私のアクション:「ベジタサイズ」(著者考案のエクササイズ)をやってみる
■レベル:守 基本的なことがわかりやすく書いてあります 


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
life.yasuko659.com

関連記事
life.yasuko659.com
life.yasuko659.com
※どちらも薬に頼らない考え方を教えてくれる本です

*1:頸椎のズレから来る頭痛や肩こりのため、頭痛薬が手放せなかったそうです