毎日「ゴキゲン♪」の法則・暮らし編

「暮らし」をみがく読書日記。今の関心は健康的な食べ方、質のいい睡眠、時短家事です。

「人生の質を上げる」睡眠を知ろう☆☆☆☆

よく眠るための科学が教える10の秘密
リチャード ワイズマン
文藝春秋(2015/11/13)
¥ 1,620



※ [Kindle版] はこちら

よく眠るための科学が教える10の秘密 (文春e-book)

勝間和代さんが、断捨離をするきっかけになったとして挙げていたのがこの本。いったいどんなことが書いてあったんだろう、と興味が湧いたので図書館で借りて読んでみた。
睡眠に関する本はたくさん読んできたが、興味深いことがいっぱいの、とても面白い本だった。


    

◆目次◆
はじめに さぁ、この本を手にして目覚めよう
1 睡眠は「時計じかけの世界」だった
2 健康でしあわせな、豊かで賢い人になるには
3 老若男女から赤ちゃんまで熟睡のためのノウハウ
4 「夢遊病」と「夜驚症」と「睡眠時無呼吸症候群」と「鼾」の謎
5 睡眠学習、昼寝、居眠りは「脳細胞」を活性化するか
6 フロイトが解読する「夢」の世界は幻だったのか
7 うつ病やストレス解消のための「夢のセラピー」
8 楽しい夢、明晰夢を見るにはどうすればいいのか
おわりに 読み終えたら、静かにおやすみなさい

特別付録 ドナルドと象の、学校での一日

著者は大学教授として幅広く活動中の方だが、専門は心理学で、睡眠が専門ではないことにご注目。
wikipedia:リチャード・ワイズマン
睡眠に興味を持ったきっかけは、ご自身が「夜驚症」だと指摘されたことだそうだ。
たくさんの論文を調べ、専門家に会いに行き、自ら実験台となって書かれたのがこの本。
専門外の人が書いた本ではあるものの、アプローチはアカデミックな手法によるもの。安心して読める。


睡眠の歴史から丁寧にひもとかれているので、読みものとしても面白い。レム睡眠をいかにして発見したか、体内時計の研究をどうやって行ったか*1など「今では当たり前の常識が、昔は常識ではなかった」ということを知り、感謝の気持ちが湧いてくる。

もちろん、自分の睡眠に問題や不満があり、何とか改善したいという人にも具体的な解決方法が提示されている。
本はそれぞれ「レッスン」という形で進められ、ワークをしながら順を追って学ぶようになっているが、気になるところだけ読むことも可能。


この本が目指すのは、単に睡眠の質を上げるだけでなく、その結果「人生の質を上げる」ことだという。

 これまでは自己啓発というと、目覚めているあいだの行動を改善することが中心だった。この本が目指しているのは、一日の三分の一を占めるそれ以外の時間を、豊かなものにすることである。夜の時間の質を高めれば、ぐっすり眠っているあいだにあなたの人生が変わり、睡眠と夢の新しい科学へ目覚めることができるだろう(P9-10)。

そのくらい、睡眠は人生に直結しているのだ。


この本で初めて知ったことも多かった。
まず、夜中に目が覚めるのは問題ではないこと。昔はもっと長時間寝ていたので、夜中に目が覚めるとそのまま1時間くらい起きていて、また眠くなったら眠る、というのは自然なことだったそうだ。本を読む、お酒を飲むほか、隣の家に訪問することまであったというから、みんな当たり前に起きていたのかもしれない。その名残りなので、夜中に目覚めることはそれほど気にしなくていいそうだ。

それから、記憶と睡眠の関係。「年を取って記憶力が落ちるのは、睡眠の質が悪くなるから」という説もあるとか。つまり、意識して睡眠の質を上げれば、記憶力も維持できるかもしれない。これは朗報だと思う。

また、「睡眠で夢を見ることがセラピーになっている」という研究には驚いた。多くの臨床実験もされていて、これは仮説ではなくきちんと証明されているそうだ。
うつと睡眠の関係も研究が進んでいて、うつの患者も夢を記録し、それを専門家と検証する事で回復が早まるという。
この本では、専門家の手法を応用した、ひとりでもできるセラピーやり方が紹介されている*2

一時期もてはやされた「睡眠学習」は、実は効果がないことが証明されているそうだ。ただし、記憶に定着させるための暗記と睡眠のタイミングはこの本を読めばわかる。
ほかにも、寝る前に何をすればもっとも深く眠れるかなど、知ればすぐ役に立つことがぎっしり詰まっている*3


少し前に『スタンフォード式 最高の睡眠』を読んだが、私にはこの本の方が内容も濃く、新しい情報もたくさん得られたという印象だ。

勝間さんが片づけの背中を押された、という箇所は、残念ながら「これだ!」とは特定できず。
シンプルに「寝室は寝るための場所なので、それ以外の刺激を避けるため、寝る時に必要なもの以外は置かない」と書いてあるだけだった*4
何がきっかけになるかわからない、意外なもの、案外小さなものかもしれない、ということがわかったのは収穫。


英語圏の本によくあるジョークもうまく訳されていて、笑いながら読めます。
教科書みたいな本よりも、楽しく読める本が好き、という方はぜひ読んでみてください。

私のアクション:自分にとってベストの睡眠時間&昼寝の時間を探る*5
■レベル:破 オーソドックスなことはもちろん、それ以上の情報が詰まっているので。 

関連記事
読書日記:『脳が冴える快眠法』
読書日記:『あなたの人生を変える睡眠の法則』



以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
※メモは近日中にUPします!

*1:勇気ある人物が光の差さない洞窟に1ヵ月以上こもってデータを取った、など涙ぐましい努力のもとに今日があるのだ、と感動します

*2:症状のある方は医師や専門家に相談すること、と但し書きがあります

*3:寝る前に「気になること」を書き出す方が、何もせずに寝るよりも眠れる。最もいいのは「気になること」と、「それを解決するために自分にできること」をセットで書き出すことだそうです

*4:それは勝間さんも著書で紹介されています

*5:画一的な「昼寝は30分以内」ではなく、人によって違うベストの時間を試す方法が紹介されていました。それによれば、90分まではOKのようです