毎日「ゴキゲン♪」の法則・暮らし編

「暮らし」をみがく読書日記。今の関心は健康的な食べ方、質のいい睡眠、時短家事です。

睡眠は「贅沢品」ではなく「必需品」☆☆☆

座らない! 成果を出し続ける人の健康習慣
トム・ラス
新潮社(2015/07/25)
¥ 1,404
家族が借りてきた本。著者の名前に見覚えがあったのでプロフィールを見たところ、あのポジティブ心理学の名著『心のなかの幸福のバケツ』を書いた、“ドナルド・O・クリフトンのお孫さん”だった。

確か、先天性の難病だったのでは、と思い出し、そんな人が書いた健康の本ならより価値があるだろう、と思い読んでみた。


◆目次◆
本書を読む前に――「健康経営」が企業を変える
はじめに
第1章 三つの基本要素
第2章 小さな選択が大きな変化を生む
第3章 毎回正しい選択をする
第4章 良い習慣を築く
第5章 自己免疫システムを強化する
第6章 生活習慣は遺伝子を上回る
第7章 もっと活力が出る生活をする
第8章 タイミングが肝心
第9章 応急措置
第10章 賢い選択
第11章 健康的に仕事する
第12章 きっぱり断ち切る
第13章 神話を打ち砕く
第14章 健康は自宅から始まる
第15章 早めに手を打つ
第16章 しゃきっとする
第17章 期待に沿う
第18章 良い夜を過ごす
第19章 物事をとらえ直す
第20章 日々のルーティンを調整する
第21章 今を生きる
第22章 究極の老化防止法
第23章 健康的に意志決定する
第24章 自己責任
第25章 予防策
第26章 道を切り開く
第27章 新しい習慣を身に付ける
第28章 新しいトレンドをつくる
第29章 すべてはつながっている
第30章 まとめ
おわりに
行動を起こす――新アプリ「ウェルビー」
著者あとがき
訳者あとがき
参考文献

著者の病気は440万人に1人の、突然変異で「がん抑制遺伝子」が機能せず、体全体にがん細胞が増殖する「VHL病」*1だそうだ。

そのため、何をすればがん細胞を増殖させないか、さまざまな文献を読み、健康に関する知識を得て実践してきたという。
この本は、知人の出版関係者に健康に関する本を書かないか、と誘われたのがきっかけで生まれたものだ。

著者は医師でも専門家でもないが、どうすれば健康に生活できるかについて研究し続けてきたエキスパート。
寿命は生まれ持ったものだけで決まるのではなく、どう生活するか、によって大きく変えられるそうだ。

 以前は「長寿は遺伝」との説も聞かれましたが、最新の研究では違う結果が出ています。生活習慣こそ寿命の決定的要因です。両親がどれだけ長生きしたのかではなく、日常生活で自分自身が何を選んでいくのか――これによって寿命が決まります(P25)。

原題は「EAT MOVE SLEEP」で、この3つを同時に改善することで大きな効果が期待できるというのがテーマになっている。

 これは最新の研究結果に裏づけされたやり方でもあります。3要素に同時並行で取り組むと成功する確率を高められるのです。食生活だけ改めたり、運動メニューだけ組んだりしても、3要素同時にやるのと比べれば効果は限られます。……3要素同時であると、日ごとに状況が改善していく「正のスパイラル」が生まれるのです(P28)。


びっくりしたのは、「座るのは喫煙より体に悪い」という記述。おそらく、日本語タイトルはここから来ているのだろう。

 いわば「座り病」です。人は座るたびに健康を害しているのです(P41)。

これを防ぐには、座っている時間が20分経つごとに2分軽く歩くのが理想。立ち上がり、歩いたりストレッチをする。立っているだけでも、座っているよりはいいそうだ。

テレビを長時間見ているとそれだけで寿命が短くなる、という恐ろしい研究結果も出ているという。

……25歳以上の場合は、1時間のテレビ視聴で寿命が22分縮みます。1日6時間以上のテレビ視聴だとどうなるでしょうか?テレビをまったく見ない人と比べ、寿命が約5年短くなる可能性があります。以上は規則的に運動する人にも当てはまります(P138)。
※1万1千人以上の成人を対象にした調査(オーストラリア)による

著者のおすすめは、テレビも動きながら見ること。CMの間にトイレに立つだけでも違うそうだ。


全体に、最近よく言われている説が広くまとめられている印象だ。
炭水化物はできるだけ摂らない方がいい。果物、ナッツは推奨。脂肪もできるだけカット。
運動は積極的にやるよう勧めている。脳の働きにも、精神面でもプラスになるという。
また、睡眠の重要性もくり返し書かれている。「8時間」が理想だそうだ。この記事のタイトルにした“睡眠は「贅沢品」ではなく「必需品」”という言葉は、忙しくなるとついつい睡眠時間を削って間に合わせてしまう私たちに響く。
「呪文」のように唱える癖をつけた方がよさそうだ。


少し前に読んだ『シリコンバレー式自分を変える最強の食事』とは違う面も多い*2が、これはもう何が自分に合うかトライ&エラーで探っていくしかない。
この本にも、自分に合ったプログラムを作るよう勧めているし、アプリも紹介されている(英語版のみ)。


巻末の参考文献リストだけでも膨大で、たくさんの情報をわかりやすくまとめた良書だ。
また、特筆すべきなのは、この本が出版されたきっかけが翻訳者の「持ち込み」であること。
翻訳者がやってみていいと感じたので、出版できればと思われたのだそうだ。
これなら内容もしっかりしていると思うので安心だ。
この手の本には珍しい「ですます調」なのも、読みやすさにつながっている。


新しい説にはまず根拠がほしい人、今のトレンドを幅広く押さえたい人に特に向いています。
表紙の写真などから、ビジネスパーソン向けの印象を受けますが、年齢・性別関係なく取り組めます*3

バランスよく生活を改善したい人はぜひ読んでみてください。
私のアクション:30分に1回は立ち上がって体を動かす
※20分に1回は難しそうなので、現実的な設定で
■レベル:守 基本的なことがわかりやすくまとめられています 

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

*1:フォン・ヒッペル・リンドウ病

*2:果物はベリー類など一部を除いて×、ナッツもあまりすすめない、運動は週に15分でよい、睡眠は正しい食事をすれば自然に短くて足りるようになる

*3:むしろ、無理やり「ビジネス書」っぽく作っていてもったいない気も…