毎日ゴキゲン♪の法則・スピ編

これからは「自分ファースト」で

続かなければダイエットじゃない!☆☆☆☆

 


雑誌「クロワッサン」のダイエット特集で著者・森拓郎さんがアドバイスをしているページを読んだ。一見痩せられそうな食事メニューに対して「残念ですがこれでは痩せられません」とあったので驚いた。もう少しくわしく著者の理論を知りたいと思い、図書館で予約。大人気でほぼ1年待ち、ようやく順番が回ってきた。
衝撃的な内容だった。


 

◆目次◆
プロローグ 運動すれば痩せると思っていませんか?
第1章 運動だけでは痩せられません!?
第2章 こんな生活があなたを太らせている?
第3章 食べて痩せる高N/Cレートダイエット
第4章 ダイエットと運動とストレスの関係
エピローグ ダイエットで得た結果を維持し続けるために
特別付録 カラダをリセット!おすすめレシピ

そもそも、タイトルからして驚きだ。著者は運動を教えるトレーナーなのに、「運動だけでは痩せられません」と断言する。しかも、「食事が9割」で、運動はオマケ程度。本の中では「食事をきちんと改善できれば、運動しなくても痩せます」とまで書いてある。
というわけで、具体的な運動の方法などは紹介されていない。


この考え方は、いくら運動を教えてもちっとも痩せないクライアントが多く、「食生活も改善しなければ結果が出ない」という著者の経験から来ている。

著者は歯に衣着せぬストレートな書き方なので、グサグサ刺さる。

……本当に運動だけやっていれば、食事をコントロールせずみるみる体脂肪が落ちて痩せるというのなら、例えば相撲取りやプロレスラーはどうなるのでしょうか?(P54)


この本によると、運動の強度を上げれば上げるほど、体のメカニズム上食欲が増すようにできているそうだ。なので、短期決戦で結果を出そうとするのは食欲との戦いが増すので、あまり得策ではないという。
つまり、食欲を爆発させない運動をコツコツやって、少しずつ体脂肪を減らすしかない。だったら食べる量を減らした方が早いですよね、ということだ。


肝心の食べ物に関する内容も、今までの常識がガラガラと崩壊することがいっぱい。

  • 果物ジュースはもちろん、野菜ジュースも太る。栄養はないのに農薬は濃縮されている
  • スーパーやコンビニで売っているチョコレートは、実は「チョコレート風味の砂糖」*1
  • GI値ばかり追い求めるのは危険

などなど。

ではどうするのか。著者が勧めるのは「栄養価の高いものを食べましょう」ということ。
N/Cレートという、同じカロリーに対してどれだけ栄養があるか、という指標があるそうで、これの高いものを意識して摂るといいという。

デザートは「食べるなら、今までの3倍高いもの」を勧めている。コンビニではなく、デパ地下で本格的なものを買う。すると、高いのでそうそう食べられないし、高い分いい素材を使っているので満足度も高い。その結果食べ過ぎを防げるのだそうだ。

運動は、日常生活に取り入れやすいウォーキングを週2日と、脚に溜まった血液を心臓に戻す逆立ちを毎日すれば充分だそうだ。


著者は「3ヶ月続かないダイエット法は意味がない」という。その理由は、体の恒常性。

……体が今の状態が通常だと認識してくれるには最低でも3ヶ月は必要です。そして、3ヶ月で作った体は、3ヶ月以上かけて維持しなければ適応してくれないのです(P107)

このため、急激に減量してもリバウンドしやすいし、痩せた後も続けられる食事や運動でなければ維持できないのだ。


安易なダイエットがいかに無意味で危険かを教えてくれる本。
体重やサイズの数字に一喜一憂するのではなく、体の仕組みを知って賢く健康に痩せましょう。
私のアクション:野菜ジュースを飲むのをやめる

 

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※「1日14品目法」が紹介されています

 

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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

500キロカロリー摂取した分、500キロカロリーの運動で帳消しにはできない(P24)

残念ながら、エネルギー代謝の仕組みはそう単純ではない。

運動強度が上がった分、食への欲求が増してしまう(P28)

運動によってカロリーを消費すると、体のメカニズム上、カロリー摂取に対する欲求は上がる。

人は食べ物を食べれば食べるほど、食べたいという欲求が強くなる(P28)

代謝を上げても体重は減らない(P44)

基礎代謝に占める筋肉の割合は、最新の研究ではわずか18%。内臓の割合が80%。筋肉を増やしてもあまり意味がない。

GI値パラドックスに注意(P70)

GI値=「試料」摂取時の血糖値上昇曲線の面積÷「ブドウ糖」摂取時の血糖値上昇曲線の面積×100

「面積」であることに注意。血糖値の上昇がゆっくりでも、時間をかけて下降する場合は高い数字が出て、短時間で血糖値が急上昇しても、急降下すれば低い数字が出る。
つまり、液体で糖質が多く含まれるようなコーラ、スポーツドリンク、ビールといった飲料は、急上昇急降下するため、GI値は低く出てしまう。

にんじんやかぼちゃ、じゃがいもなど自然の食物のGI値が高く出るのもこのため。

GI値を気にするのは炭水化物の部分のみでよい(P73)

避けるべきは生成された糖であり、液体化した糖や果糖。それ以外の自然の食物の値はあまり気にする必要がない。

果糖はブドウ糖の10倍のスピードで糖化し、AGEsを作りやすい(P98)

ダイエットの成功とは(P108)

太る傾向のある人、リバウンドしやすい人は「ダイエットに成功したら、また前のように好きなだけ食べられる」と勘違いしている。「前より好きなものを欲しがらなくなった状態」が成功。

「体にいい食べ物」の指標、N/Cレート(P115)

ある食べ物の総カロリーに対して、ミネラルやビタミンといった栄養素がどれだけ含まれているかの比率を、N/Cレートという。
N=Nutreint value(栄養的価値)
C=Calorie(総カロリー)
例)お米
同じ分量の玄米と白米があった場合、胚乳は同じだが、玄米にはぬかと胚芽がある。ここにビタミンB1やマグネシウムといったミネラルが含まれるので、同じ分母のCに対して、分子のNは玄米の方が多いので、白米よりも玄米の方がN/Cレートが高い。

3倍高いものを食べよう(P156)

上質であれば太らない、ということはないが、上質なお菓子は素材もよいし、値段が高いのでたくさん買わずにすむ。
コンビニでは200円のスイーツも、デパ地下の600円のケーキならそうしょっちゅうは食べられない。
量は3分の1、満足度は3倍。ぜひ添加物の少ない本物を食べよう。

ヤケ食いを防ぐには(P209)

・買わない、家に置かない
・食以外に気をそらせる趣味を見つける

*1:「原材料名は、多く含まれる順に書くことになっている。砂糖がトップなら、それはチョコレートではない。チョコレート好きなら、最初にカカオマスが書いてあるものを選びましょう」だそうです。確認したら、我が家にある一般的な商品は、本当に砂糖が最初に書いてありました…