ところが、上の2冊とはどうも雰囲気が違う。ちょっともやもやした読後感だった。
◆目次◆
PROLOGUE 体幹に筋肉をつけてブレないからだになろう
PART1 体幹を鍛えて、からだをリセット
PART2 からだをリセット&安定――体幹トレ
PART3 体幹を鍛えて、おなかを凹ませる!
PART4 体幹を鍛えて、腰痛にならない!
PART5 体幹をパワーアップさせる「食」
EPILOGUE インナーユニットでバランスをとることで、からだは強くなる
――何というか、どうにも歯切れが悪いのだ。それも、ほとんど全体を通して。
体幹を鍛えるのは難しいそうだ。アウターマッスルとインナーマッスルの両方があり、先に鍛えるべきインナーマッスルを意識するのは特に難しい。気づかないうちにアウターマッスルを使ってしまうことも多いらしい。
特に、腹直筋(いわゆるシックスパック)ばかり鍛えていると、他の筋肉とのバランスが悪くなり、鍛えようとしてもつい癖で腹直筋を使ってしまうのだとか。
トレーニングしていてもインナーマッスルに効いているのかわかりにくいので、「トレーナーにつくのもひとつの方法」だそうだ。
そのくらい、素人が鍛えるのは難しい、というのがこの本で一貫した主張になっている。
ということで、この本にはほとんど具体的な体幹トレーニングの方法が書いてない。
鍛える順番としても、下半身→上半身→体幹の順がベスト(つまり、この「だいわ文庫シリーズ」が出版された順番です)で、体幹ブームの今の状態に中野さんは苦言を呈している。
明らかに前の2冊とは違う。結局「素人には無理だから、トレーナーに見てもらってください」という本をわざわざ買うのはもったいない*1。
と思っていたら、さすがにこれでは売れないと踏んだのか、PART5「食」のページが充実していた。以前、別の著書で紹介されていた「1日14品目法」が詳しく紹介されている。
さらに、14品目法に挫折してしまう人のために、ステップを踏んで「穀類3点式」→「たんぱく質3点式」→「ミネラル・食物繊維3点式」→「野菜の選び方2点式」と経ることで、バランスよく食事をしてカロリーをダウンできるという方法もある。
前の2冊と同様、食生活にも重きを置く著者の自論が展開されている。肉も必要だし、牛乳、卵も積極的に摂るよう勧めている。摂取カロリーを抑えるために糖質コントロールは必要だが、極端な糖質カットは問題が多い、としている。野菜は必要だが、野菜ばかり食べても健康になれないなど、『あなたは半年前に食べたものでできている』に通じる部分も多い。
ちなみに、著者は一貫して「部分やせは不可能」派。「腰を回したって痩せませんよ」と、この本でも書いているが、腰回しを続けてきた一個人として、ウエストに関しては効果を実感していることを書いておきます*2。
また、この本で「体を鍛えている俳優さんの本」について言及されているが*3、調べてみたら武田真治さんの『優雅な肉体が最高の復讐である。』だった。
プロのトレーナーが読んでも一理ある、という武田さんの考え方。
日刊SPA!にインタビューが載っていたので、興味のある方はどうぞ(全3回)。
体幹とはどういうものか、どうすれば鍛えられるか、という理論はキッチリ書いてあるので、そういう面もしっかり知りたい人にはいい本。他の体幹トレーニングの本と一緒に読んでバランスを取りたい、という場合にはいいかもしれない。
それ以外の人は、図書館で借りて読めば充分です。
読む順番は必ず『下半身に筋肉をつけると「太らない」「疲れない」』→『上半身に筋肉をつけると「肩がこらない」「ねこ背にならない」』→この本、の順で。
私のアクション:バランスディスクを椅子に載せて使ってみる
※この本のメモはありません
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