身体を引き締める食べ方1:1:2
マガジンハウス(2013/10/31)
¥ 1,365
フィギュアスケートの高橋大輔選手の栄養サポートを2008年から続けている栄養アドバイザー・石川三知さんの本。
これまでにアスリート向けの本は何冊か出されているが、これはやや毛色の変わった本だった。
※高橋選手の高は、正しくはハシゴ高です。ここでは便宜上「高」を使っています
◆目次◆
プロローグ 高橋大輔選手との出会い
第1章 アスリートの食事サポート
第2章 食事の基本は「1:1:2」
第3章 生活に即したパターンを作る
第4章 季節に合わせて味に変化を
第5章 太らない食べ方
第6章 中食&外食で体調を整える
第7章 症状別の食事の組み立て方
高橋大輔選手との出会いから、今シーズンまで*1のさまざまなエピソードが紹介されていて興味深い。
私も関西ローカルのニュースで見たが、靱帯を切る大ケガのあと、高橋選手がお弁当を作って持参するようになった、と報道されたことがある*2。
それを見たファンが、演技終了後投げ入れるプレゼント*3にキッチングッズをくれるようになったのだそうだ。
こういう、ふだん知ることができないエピソードが多数あるので、ファンにとっては楽しめる内容だと思う。
その一方で、アスリートのサポートを通して編み出された炭水化物、タンパク質、野菜を1:1:2の割合で食べる方法も詳しく紹介されている。
重量ベースなので簡単に取り組めるし、アスリート以外の一般の人にも使える方法だ。
「摂り込んだカロリーをすべて使い切れる」というのがこの方法のポイントで、厳しい制限なしに、ウェイトコントロールできるそうだ。
余ったエネルギーや身体の材料は、体脂肪に回されるだけではなく、血液中の中性脂肪、コレステロール、尿酸などになります。血液検査で引っかかるのは、そうしたありがたくないものの数値が必要以上に上がるからです。
ただ単純に太るというだけではありません。…最悪の場合は脂質異常症、動脈硬化、糖尿病、痛風などの生活習慣病に陥りかねないのです。
1食につき、「炭水化物1:タンパク質1:野菜・海藻・きのこ類2」という比率を目指していけば、こうしたリスクはかなり防ぐことができるでしょう(P57)。
コンビニ、外食、中食で選ぶコツもあり、ひとり暮らしの社会人など3食きちんと作ることがむずかしい人に役立つヒントが満載。とても実用的だ。ちょっとしたメニューの選び方、組み合わせ方を知っているだけで大きな差がつく。
高橋選手の知られざる魅力*4や、チームD1SKのサポートぶりもよくわかり、フィギュアスケートファンの私にはとても楽しめた。
ただ、Amazonで見ると、この本は「高橋選手のファンブック」的な扱いをされているようだが、それはとてももったいない。
健康管理・ダイエットの本としても充実した内容になっている。
“1粒で2度おいしい”本、「○○制限」とか「○○だけ」ダイエットはちょっとね、という方はぜひ読んでみてください。
私のアクション:「1:1:2」を意識して食べる
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読書日記:『勝負食』
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
「1:1:2」(P52)
やり方はごくごくシンプル。
炭水化物を1、タンパク質を1、野菜や海藻、きのこ類を2
この比率は見た目ではなく、重量によるもの。
「低カロリー=少量」ではない(P113)
消化器官を働かせるためには、ある程度の食事量、カサ(嵩)が必要。カロリーは抑えても食事の量自体は確保することが重要。
何でカサを稼ぐかというと、もちろん野菜や海藻、きのこ類など。