毎日ゴキゲン♪の法則・スピ編

これからは「自分ファースト」で

「夫源病」、予防に勝る対策なし☆☆☆

妻の病気の9割は夫がつくる
石蔵文信
マキノ出版(2012/12/15)
¥ 1,365


少し前にテレビで話題になった「夫源病」。
実家の母をはじめ私の知る年配の女性たちは、不思議にご主人が定年になると心身の不調を訴えていた。仕事柄いろんな方のお話を聞くことがあったが、みなさん判を押したように「ご主人が家に居るようになって以降」の悩みをあれこれ口にされていた。
ご主人が原因だろうな、と感じることは多かったが、ちゃんとした根拠があるわけではないので気安く言うわけにもいかず、ただ聞くだけに終始していた気がする。

この本はたまたま図書館で見かけたもの。著者は「夫源病」という名前をつけた方で、れっきとした医師。サブタイトルは“医師が教える「夫源病」の治し方”だ。
お医者さんの言うことなら根拠にもなるだろう、と思って読んでみた。
なかなか奥の深い話だった。


          

◆目次◆
第1章 妻の病気の9割は夫がつくる
第2章 女性ホルモンがへると夫源病になる
第3章 夫源病の引き金 「生活習慣」
第4章 夫源病の引き金 「お金」
第5章 夫源病の引き金 「家事」
第6章 夫源病の引き金 「子育て」
第7章 夫源病の引き金 「両親」
第8章 今すぐできる夫源病の治し方


借りてきてから気づいたが、これはブームになった『夫源病』の続編だった。

著者はもともと「男性更年期外来」で男性を診察していた。
男性更年期の体調不良はストレスなどの精神的要因が大きく関わっているため、必ず夫婦で診察に来てもらっていたそうだ。
すると、患者本人だけでなく実はその妻も深刻な体調不良に悩むケースが多かったという。
夫の治療には妻の支えが不可欠なので、妻のカウンセリングや治療にも乗り出したところ、

従来は更年期障害とされてきた中年女性の体調不良の原因は、実は夫にあるのではないか――(P3)。

というひとつの結論に達したという*1
更年期障害=夫源病ではない。病院で「更年期障害でしょう」と言われているケースのうち、かなりの割合で夫が原因のものがあるだろう、ということだ。
実際に病名も挙げられているが、更年期障害以外の診断名でも実は夫源病が疑われるものも多いという。


もうひとつの大きな違いは発症する年齢だ。

夫源病は、…更年期の女性だけに起こるものではありません。30~40代の若い世代や、50代後半から60代の女性にも多く見られます。つまり、夫を持つ妻は誰しも、夫源病にかかる可能性があるのです(P17)。 


著者が考える夫源病の原因は「長命化」「核家族化」「夫婦観の変化」の3つ。
近年は嫁姑問題がなくなりつつあるため、今まであまり感じなかった夫のうっとうしさがクローズアップ。
外でのストレスが増える年代の夫はさらにうっとうしくなるが、防波堤になってくれていた子どもは独立。夫の定年後20年近くも一緒にいなければならない…。
さらに、ドラマや映画、CMなどで「いい夫婦」「幸せ家族」のイメージを目にするので、夫への不満が膨らむことが増えたという。


この本では、「生活習慣」「お金」「家事」「子育て」「両親」の5つを、さまざまな実例をもとにアドバイスをしてくれる。男女の考え方の違いも説明してあり、あきらめるべきところと改善した方がいいところがあるのも実用的。
やはり、著者が男性で、夫婦両方の言い分を長年聞かれてきたからだろう。
最終手段の離婚も含め、そこまでやるか、という方法もある。
だが、解決策のほとんどはちょっと意識すればできるような簡単なことだ。
また、夫源病になりやすいタイプ*2もあるそうで、夫を責める前に自分が変わるのもひとつの方法だろう。


著者がこの本を書かれた目的は

本書の目的の1つは、さまざまな治療を何年も受けていながらも、なかなか心身の不調が改善しない世の妻たちに、その病気の真の原因と治し方を届けることです。
(中略)
世の夫たちにも、自分の何気ない言動がいかに妻を傷つけているか、自覚と反省をうながしたいのです。本書に収録された妻たちの本音を、自分の妻の声として、真摯に受け止めていただければと思います(P5)。


とは言え、この本を鬼の首を取ったように夫に見せるのは逆効果だそうで*3、熟読した上で夫と向き合った方がよさそうだ。
また、著者によれば夫の定年までが勝負だそうなので、心当たりのある奥様はぜひ早めにこの本を読んで対策を。
私のアクション:言いたいことは貯めずにその場で言う

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読書日記:『夫源病 こんなアタシに誰がした』


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

女性ホルモンが減るとストレスに弱くなる(P37)

…女性ホルモンは、さまざまなストレスから女性の体を守っていると考えられます。妊娠・出産のつらさや、夜泣きや授乳でろくに眠れない産後の過酷な日々を女性が乗り切れるのは、女性ホルモンがストレスから体を守ってくれているおかげでしょう。
(中略)
…生理が終わる50歳頃までは、妻たちは女性ホルモンに守られて、さまざまなストレスに耐えることができます。姑から理不尽なことを言われても、夫がわがまま放題でも、多少のストレスであればはねのけることができるのです。
ところが更年期になると、ストレスにめっきり弱くなります(P37-38)。 

*1:診察室で夫のグチをひたすら言い続けてもらっただけで症状が消失、または軽減した人もいるそうです

*2:いい妻・いい母願望が強いとか、人の目が気になる真面目なタイプがなりやすいそうです

*3:アマゾンレビューの評価がくっきり男女で分かれていています。男性は読むとたぶんショックが大きい