改めて借りたこの本は、さすがに大学の出版会から出ているだけあって、より高度で専門的な内容だった。
◆目次◆
プロローグ
第1章 生物的にはオスよりメスが強い
第2章 治らない更年期に夫の影 DV夫・シンクロ夫など
第3章 なぜ漢方外来がウケるのか?
第4章 中年女性の危機 空の巣症候群
第5章 高齢女性の危機 ワシも族と昼食うつ
第6章 キャリアウーマンの危機 新型うつ、モンスターワイフ
第7章 セロトニンと自律神経の大切さ
第8章 良い夫婦を続けるな 夫婦喧嘩を恐れずに。最終手段は別居
エピローグ
本に出てくる薬の紹介
内容は『妻の病気の9割は夫がつくる』とほぼ同じ。メカニズムがよりくわしく書いてあったり、患者に処方した薬の名前と効用も載っているので、診察を受けようか迷っているような人なら、こちらを読んだ方がいいかもしれない。
夫の早死にが妻の健康にもよいという物騒なデータがあるそうだ。
※愛媛県総合保険協会・藤本弘一郎先生が75~84歳の男女約3千人を調査したもの
男性の場合は配偶者がいないほうが死亡リスクは高くなるのに対して、女性は配偶者がいるほうが、死亡リスクが高くなったのである。つまり、高齢女性にとっては「夫の存在」は糖尿病や高血圧より健康リスクになるのである(P6)。
ここまで言ってしまうと身もフタもないが、これが真実ということだろう。
こんな風に、データや症例をもとにくわしく解説されている。
ただ、セロトニンがドーパミンが新型うつがと言われても、もともとこういうジャンルに興味がなければむずかしく感じると思う。
内容が一部整理されていないところもあった。どこからが患者さんの体験談なのかわかりにくいところや、患者さんから見た話なのか、医師から見た話しなのか途中で視点が変わってしまうところがあり、その意味では少し読みづらかった。
その点、『妻の病気の9割は夫がつくる』の方は健康雑誌などで実績のあるマキノ出版から出ている。おそらく編集者など出版社側のチェックで読みやすくなっているし、添えられているイラストも思わず笑ってしまう。すわ離婚、という深刻なテーマだけに、ちょっと笑えるというのは大事なポイントだと思う*1。
日々診療をしている現役の医師が書く「ホルモン補充療法の是非」や「漢方治療」に対する考え方などは私は面白く読んだが、「実は夫源病かも」と思う方は、まず『妻の病気の9割は夫がつくる』から読むのをおすすめします。治療法などをもっと深く知りたいと思ったら、こちらをどうぞ。
私のアクション:セロトニンを消費しないよう、考えすぎをやめる
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読書日記:『妻の病気の9割は夫がつくる』
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
夫を早死にさせる10ヶ条(P216)
(アメリカのハーバード大学、メイヤー教授が1970年に提唱したもの*2)
※著者はちょっとした冗談として読むように書いています。これを裏返せば夫を「長生きさせる方法」になるのでメモしておきます
- 夫を太らせる
- お酒を薦める
- いつも座らせておく
- 飽和脂肪酸をたくさん食べさせる
- 塩分の多い食事を作る
- 紅茶や珈琲を飲ませる(砂糖やミルクをたくさん消費させるのが目的)
- たばこを薦める
- 夜更かしをさせる
- 休暇旅行に行かせない
- いつも文句を言おう