確かに、気が楽になるような考え方と、実際に台所仕事が簡単になるいろいろな方法が載っていて、これならできそうかな、と思える本だった。
◆目次◆
まえがき 家のご飯は、これでいいのだ。
第1章 料理とは、食べられるようにするだけのこと。
第2章 自分で考える力をつける。
第3章 台所を回す。
第4章 買い物は狩りである。
第5章 生きる力を手に入れよう。
あとがき
最初に、「これも料理」として挙げられているのが、何と「卵かけご飯」。それでも、全卵か卵黄だけか、しょうゆか否か、他にも何かプラスするのかなど、バリエーションはたくさんあり、その人だけの組み合わせがあるのでそれは立派な「レシピ」なのだという。
そのくらい、料理作りのハードルを下げてくれる。料理の定義も「生きていくために生では食べられないものを加熱すること」という、ものすごく低いところからスタートしている。
調理法や野菜の扱い方など、順を追って応用できるように書かれているので、料理の知識ゼロでも大丈夫。
一方、主婦歴何年、というような人にも、他ではあまり見かけない理論的なことが書いてあったり、野菜や肉類の上手な加工法(下ごしらえしておいて、1週間で使い切る)などがあるので、充分役に立つ。
私が一番印象に残ったのは、「味を一定にするために、調味料のブランドを変えない」ことと「鍋のサイズと料理の関係性」の話。
調味料はメーカーやブランドによってかなり味が違う。売り出しだからとバラバラに買っていると、きちんと計っても味にブレが出るそうだ。
鍋のサイズは、材料の分量によって自動的に決まるという。どこまで煮詰めるかの目安も書いてあるので驚いた。
そういえば、実家には母が愛用する「かぼちゃの煮物専用の鍋」があった。
ごく普通の片手鍋なのだが、「かぼちゃ1/4個がぴったり1列に並ぶサイズだから」というのがその理由。やはり、サイズは重要なのだ。
著者は、バブルの頃に珍しいものを追った結果、料理が日常から離れてしまい、「家庭でも凝ったものを作らなければ」というカン違いが料理離れを起こしたのではないか、と書いている。
読み進むうちに、「このくらいでもいいんだ」と肩の荷が下りる。
ちくま新書だがカラー版だそうで、料理の写真はすべてカラー。シンプルなレシピもたくさん載っていて、すぐ使えます。
料理は大変そう、めんどくさい、と思ってしまう人はぜひ読んでみてください。
私のアクション:鍋のサイズに敏感になる
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
ちょうどいい鍋の大きさ(P44)
野菜…具が鍋の高さの「半分くらい」になるのが目安。
最終的に煮汁が鍋底から2センチくらいの高さまで煮て、火を止める。そのまま自然に煮汁を含ませる。
煮魚のちょうどいい時間(P45)
魚は切り身で7分、1尾丸ごとなら8~10分が目安。
落とし蓋をしてから煮汁にとろみがつくまで煮詰めると、ある時、泡が大きくなる瞬間がある。それが煮上がったよ、という合図。
肉はゆでて煮汁ごと保存(P105)
素材が完全に隠れるくらいのゆで汁に浸して密封容器で保存。
冷蔵庫で1週間は保つ。