ネットで見かけた本。78歳(出版当時)の著者の写真がとてもキレイで若く、「どうやったらこんな年の重ね方をできるんだろう?」と興味がわいたので図書館で借りて読んでみた。
「真似したい!」が半分、「ちょっと無理かな」が半分といった内容だった。
◆目次◆
「はじめに」に代えて
おしゃべり大好きな私のちょっと長い自己紹介1 ワードローブ
2 フードとビューティ
3 人間関係
4 日常生活
はじめに書いておくが、著者は服飾ブランドでデザインなども手がけてきた、もともと美意識の高い人だ。アクセサリーを作って個展で売ったり、自作の化粧ポーチを使っていたら「ほしい!」という人が続出し、まとめて作ったというエピソードも。
さらに、著者は28歳でパリに渡り、そこで結婚して現在まで住み続けているそうなのだが、それ以前の出自がすでに華やかなのだ*1。
生家は戦争を経て財産没収の憂き目に遭い、苦労もされているが、もともとはすごいお嬢様。
ご本人はそれをサバサバと書いていらっしゃるので嫌味に感じることはないものの、子どもの頃から一流の人や物に触れてきた経験は、普通の人にはなかなかできない。
つまり、スタートラインがかなり違う。それを納得して読まないと、「私はそんなに恵まれてない」と思ってせっかくのいろんなヒントが受け取れなくなってしまうので、注意が必要。
基本はシンプルだ。服もインテリアも、自分に似合うもの、好きなものを知り、それを守る。ファッションは下は黒のパンツにショートブーツと決めているし、他のアイテムにもご自分のルールが決まっている。
家の中の写真もたくさん載っていて、ほぼ白とグリーンで統一されている。家具は「コロニアル調」と書かれていたが、アンティークや夫の赴任地で作ってもらったものと場所も時代もバラバラなのに統一感があり、美しい。
美意識の高い著者は、今でも毎日30分かけてしっかりメイクをするという(アイプチで二重まで!)。こう言っては失礼だが、日本で一般的には「おばあさん」といわれる年齢だ。おばあさんがバッチリメイクをしていたらびっくりされそうなのに、お写真で見る限りちっとも不自然ではない。
年齢とともにだんだん面倒くさくなったり、手を抜きたくなったりしないのだろうか。
著者の人生を貫いているのは、好奇心と行動力だ。それが、この年齢になっても絵のレッスンに通ったり、夫と狩猟に出かけたり、お客様を招いて料理をふるまったりできるエネルギーの源だと感じた。
表面的なことだけを真似てもたぶん身につかない。「エネルギーをどうやって自ら供給するか」が一番のポイントのような気がする。
印象に残ったのはソニア・リキエルのことば。
「女はね、1日たりとも無駄にしてはだめ。……このあと外に出たら、そこで“L'homme de ma vie(ロム・ドゥ・マ・ヴィ)”に出逢うかもしれないでしょ?」
(中略)
装いも体型も姿勢もかまわなくなったらおしまい。もう結婚しているから、子どもがいるから、年だから……と、それらを放棄していませんか(P129)。
ロム・ドゥ・マ・ヴィとは、「生涯の男性」とか「運命の人」みたいな意味だと思う。
パリのマダムがいくつになってもきれいな秘密はこの心意気なのか、とハッとした。
この本は著者の自叙伝でもあるので、海外での働き方、仕事と家庭をどう両立するか、結婚(特に国際結婚)といった女性が直面するさまざまな壁をどう著者が乗り越えてきたかを知ることもできる。
こんな78歳を迎えるのはとても難易度が高いが、まだ時間はある。1日1日を大事にして、素敵なマダムになりたい。
将来、「おばあさん」と呼ばれたくないすべての女性におすすめです。
私のアクション:「好きじゃないもの」を家から処分する
■レベル:守
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
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※よく「本当にフランス人は10着しか持ってないのか」と聞かれるようになったそうです。弓さんの答は「さすがに10着よりは多い」とか。
*1:Wikipediaはこちらwikipedia:ユミ・シャロー