毎日ゴキゲン♪の法則・スピ編

これからは「自分ファースト」で

[読書日記]ハーバード医学教授が教える 健康の正解☆☆☆☆ 

樺沢紫苑さんの『精神科医が教える ストレスフリー超大全 ―― 人生のあらゆる「悩み・不安・疲れ」をなくすためのリスト』で紹介されていた本。
コーヒーが健康にいいと書いてある、とあったので、興味を持って読んでみました。


樺沢さんは精神科医にして、読書家。いい本を紹介する目利きとして信頼しております。

一般的に「コーヒーは美味しいけど、たくさん飲んだら体に悪いイメージ」ですよね?


読んでみたら、コーヒー以外にも「これは確かに医師が紹介したくなる」と納得の1冊でした。


  • ポイント1 コーヒーにデメリットなし
  • ポイント2 ナッツは太らない。食べるほど効果大?
  • ポイント3 瞑想はあらゆることに効果あり



◆本の目次◆
はじめに――「信頼性の高い研究」からわかったこと
LECTURE1 医師として断言できる「究極の飲み物」
LECTURE2 これを「自分の体」で大いに生成せよ
LECTURE3 人生を本当に変えてしまう「シンプルな習慣」
LECTURE4 あまりに無駄のない「驚異の食べ物」
LECTURE5 「瞑想」の明らかな力を生かす
LECTURE6 「次点」はこれだ――最高の食事法は何か ?
訳者あとがき

こんな本です

原題は『The Big Five』。
健康にいいとして5つ挙げられていることから来ています。

  • コーヒー
  • ビタミンD
  • 運動
  • ナッツ
  • 瞑想

だそうです。


著者は肝臓専門医。25年前に「コーヒーを飲む人は飲まない人に比べ、肝障害を起こすリスクが低い」ことを示す論文を読んだことをきっかけに、疫学研究に興味を持ったといいます。

それ以来、疫学研究によって健康効果が裏付けられている習慣を「ビッグファイブ」と名づけ、自らも実践し、広めています。
それをまとめたのがこの本。


メタアナリシスという手法を使って書かれています。
「メタアナリシス」(メタ分析)とは、さまざまな研究や論文を比較し、結論を導き出すスタイル。
つまり、根拠(エビデンス)がはっきりしている、というのが最大の「売り」。

一般人だとなかなか(機会も、能力的にも)読めない論文や研究データを専門家が読み解いてまとめてくれるなんて、こんなありがたいものはありません。


また、この本は「しくみを明らかにするのが目的ではなく、いいというデータがあるから取り入れましょう」というスタンスです。
よさそうだからちょっとやってみようかな、くらいの気楽な感じで読めるのがうれしい。


この5つを取り入れましょう、で全部書いてもいいんですが、私にとっていい情報だと感じたことをあえて3つに絞ってご紹介します。

最も簡単に取り入れる方法は

「気持ちよく晴れた日には、お気に入りの喫茶店まで早足で歩きましょう。コーヒーを味わい、小腹が空いたら1つかみのナッツをどうぞ。これで、運動をし、日光を浴びて体内でビタミンDを合成し、コーヒーを飲み、ナッツを食べたことになりますよ。簡単でしょう」(P5)

あとは家で瞑想をすればビッグファイブ達成です。これならできそう。

ポイント1 コーヒーにデメリットなし

コーヒー派にはうれしい情報が目白押しです。

肝硬変をはじめ、2型糖尿病、心臓疾患、パーキンソン病、認知低下と認知症、胆石、虫歯、うつ病、一般的ながんを予防など、さまざまな研究結果があります。

これは、カフェインの効果ではなく、コーヒーの効果と思われます(紅茶とは有意差が認められ、研究によってはカフェインレスコーヒーでも違いが出なかった)。


私がうれしかったのは、ブラックでなくてもよさそう(注:虫歯予防効果があったのはブラックのみ)なこと。
著者はミルクを入れているそうで、少量のミルクや甘味料は問題ないとも書いてあります。

コーヒーは特許が取れないため、特定のメーカーや団体が資金を出した研究ではないことも、このデータの公平性を裏付けるとされています*1


しかも、飲めば飲むほど効果が高かった、という研究も複数。
「飲み過ぎるとマイナス」というデータはないそうですよ。

女性は5杯を超えるとあまり差が出なかったそうです。このあたりから、適切なのは4杯程度、ということになっています。


ただし、適切な量は人によって違うので注意。
「眠れない」「震えが出る」などの影響が出ない範囲に抑えるように、と書いてあります。

ポイント2 ナッツは太らない。食べるほど効果大?

ナッツに含まれる脂質は体にとてもよいため、太るどころかやせるのだそうです。驚き!

心臓疾患、メタボ、2型糖尿病に効果あり。悪玉コレステロールを下げる働きも判明しています。


うれしいのは、「ナッツは何でもOK」なこと。この本では、ピーナッツもナッツとして考えていいことになっています*2

とはいえ、ナッツによって健康効果は違うので、著者はバランスよく恩恵にあずかるため、ミックスナッツの小袋を食べているとか。


空腹時に食べたり、健康的でないスナックと置き換えるのがお勧めです。
一般的な量はどのナッツでも1~2つかみ程度。

ポイント3 瞑想はあらゆることに効果あり

「QOLの向上」「ストレスを軽減する」は予想の範囲内。

  • 血圧の低下
  • 依存症(研究では禁煙)の助けになる効果
  • IQのスコアが上昇
  • 集中力、記憶力のスコア上昇
  • 幸福度も上がる

Twitterにも書きましたが、

  • マルチタスクに対する耐性もできる

一番の驚きは

  • 瞑想する人はテロメラーゼ活性が高かった

という研究結果。
この意味は「テロメアの長さを保てる」、つまり「寿命が延びる可能施」を示唆しているというのです。


ここまで来たら何にでも効く「ガマの油」の口上みたいですね。
ところが、ご自分も瞑想を続けている著者は、驚くにあたらないと言います。


瞑想も、とてもハードルが下げられているので、トライしやすい。

  • 瞑想にはいろいろな種類があるが、どれでもOK*3
  • 宗教とは関係なく、取り入れられる
  • 1回20分程度

が推奨されています。


ちなみに、著者はインド出身*4。ただし、瞑想を始めたのはアメリカに渡ってからだそう。
現在も朝20-30分、夜15分程度を日課にしているそうです。

まとめ

各章の最後にまとめがあるので、そこだけ読んでも内容はつかめます。
量は明示されていません(著者の例は出ています)。自分で試して適切な量を決めるスタイルなのが良心的です。


著者はこの「ビッグファイブ」を
副作用がなく、のちに間違いが発見されても損失は少ないが、正しかった場合、取り入れなかった損失は大きい、
としています。

著者は「なまけ者の健康法」と呼び、広めていると「訳者あとがき」にありました。


なまけ者でも取り入れられる「ビッグファイブ」。
一度に5つがむずかしければ、ひとつでもふたつでも始めてみてください。

私のアクション:瞑想を1日2回に増やしてみる
■レベル:守 


次の記事は私の個人的メモです。興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
life.yasuko659.com

*1:特定の食品が持ち上げられる研究には、必ずと言っていいほど関連団体の資金援助があるので

*2:ふだんの食事に加えて、1日500キロカロリーをピーナツで一定期間摂った対照群でも、体重の増加は見られなかったそう

*3:研究では特定の瞑想方法に限られたものもありますが、本書のメタ分析ではすべて一緒に検証されています

*4:著名なディーパック・チョプラ氏は兄