毎日ゴキゲン♪の法則・スピ編

これからは「自分ファースト」で

人生とは、エントロピーから逃げ続けること☆☆☆

 

やましたひでこさんの名前があると「断捨離本」になるらしく、かなり待ってようやく読めた。

対談というよりは、やましたさんが帯津先生に教えを乞いに行く、というような内容だった。

 

◆目次◆
はじめに ――やましたひでこ
第1章 こころ、からだ、いのちの断捨離
第2章 人生に必要なものは、じつは驚くほど少ない
第3章 老いのときめき、病にあっての尊厳
第4章 元気よく死に飛び込む!
おわりに ――帯津良一

「帯津良一」という名前は、ホリスティック医療*1に興味のある人なら、知らない人がないくらいの権威だ。

興味はあったのだが、実は帯津先生の著書は今まで読んだことがなかった。
いいきっかけになったかもしれない。


前半は、体のしくみについて帯津先生の考え方が語られる。「生命場」という独自の理論は著書を読んでも理解がむずかしいらしく、やましたさんのリクエストでくわしく説明されている。

帯津 …「場」どうしはつねに「上の階層は下の階層を超えて含む」という関係にあります。つまり、上の階層は、下の階層の持っている性質を全部持っているだけでなく、プラスαを持つ。だから、上へ行くほど「場」としてのレベルは高くなっていきます。
(中略)
…同じように、からだの中にも「場」があって、これを私は「生命場」と総称しています。生命場にもそれぞれ階層が存在し、上の階層からみていくと、まず人間という「場」があって、その下に臓器の「場」があり、その下に組織の「場」、細胞の「場」、遺伝子の「場」と続いて、さらに分子、原子、素粒子まで行き着きます。そして……階層が上へ行くほど「場」としてのレベルは高くなっていく。

やました 臓器よりも、それを超えて含んでいる人間のほうが、「場」のレベルは高いということですね。

帯津 ええ。だから、医療の世界では、下の階層の手段を持ってきて、上の階層に働きかけるときは、足りないものがある。…たとえば、がんは人間という階層にできた病気です。それを扱うのに、臓器という1つ下の階層に築かれた西洋医学をもってきても、手を焼くのは当たり前なんです。本来は人間という階層に医学を築かなければいけない。それが「人間まるごと」対象とするホリスティック医学というわけです(P23-24)。


さらに、体内には空間が必要であるとか、排出しないと大変なことになるなど、からだのメカニズムと断捨離の考え方には共通のルールがある、という話に。


私が一番印象に残ったのは、エントロピーの話だった。

やました エントロピーというのは無秩序さの指標で、世の中の現象はすべて放置しておくと必ずオリが溜まる、つまり秩序が失われていくといわれていますね。
帯津 エントロピー増大の法則ね(P39-40)。

ここでは、エントロピーは「健康を脅かすからだの汚れ」と定義されている。
からだは古くなった組織を壊して捨て、食べ物として入ってきた新しいたんぱく質で作り替えることでエントロピー増大の法則から必死で逃れている。しかし、エントロピーは最後には追いついてくる。追いつかれてつかまったのが死だという。
「だから、捨てなければならない」ということになる。
…ちょっと無理やりな感じがするのは私だけだろうか。


「断捨離」の定義について、意外なエピソードもあった。
帯津先生の部屋は本と患者さんたちからもらったお酒やさまざまなものがうずたかく積まれ、およそ整理整頓とはほど遠い。しかし、やましたさんは否定しないのだ。

……断捨離は片づけていることを誇ることでもないし、散らかっていることを否定するものでもなく、関係を問うているだけです。だから、部屋にモノがあふれていても、それらのモノといい関係を築いていれば、その人にとっては居心地のいい空間となる(P75)。

のだとか。

また、帯津先生がどこに何があるかわからないので、見つけられない本はまた買う、という発言にも、ダメ出しはない。

……たいがいの場合は、いじましくて、もう一度買うのをためらう。断捨離が嫌うのは、このいじましさなんです。つまり、捨てられない、手放せないというのも、すべていじましいということ。だから、執着だとか難しいことをいわなくても、そのいじましさがなければ、実はOKなんです(P82)。

おや、そうですか。それは意外。


後半は、年を取ること、死ぬことについて帯津先生の考え方やさまざまな患者さんの実例などが紹介されている。妙なこじつけ(失礼)が減る分、面白く読めた。

帯津先生は「攻めの養生」をすすめている。

……私たちが生きているということは、養生を果たしていくことにほかならない。養生といっても、からだをいたわって長生きしようという守りの養生ではなく、もっと積極的に日々生命力を高め続けて、死ぬ時に思い切り向こうへ飛び込んでいくための、いのちのエネルギーを養う養生です(P168)。


アンチエイジングとは違う、老境での前向きな生き方は、読んですがすがしい気持ちになれた。

いのちのエネルギーのある人が年を取ってもモテる。いのちのエネルギーは色気にもつながる。そういう人は装飾品なんかつけていない、という先生の言葉はインパクトがあった。変な小細工は通用しなくなっていくのだ。


これからの生き方、年のとり方について考えるいいきっかけになった。
帯津先生の他の本を読んだことがないので何とも言えないが、対談なので入門にいい本かもしれない。
自分の人生の最後を医者まかせにすることに疑問がある人は、ぜひ読んでみてください。
私のアクション:「攻めの養生」を意識する


関連記事

life.yasuko659.com

book.yasuko659.com




以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

自分の飲むものに愛着を持て(P66)

サプリメントもあれこれ手を出す人と、特定の1~2種類に愛着を持って飲み続ける人では違う。この差は大きい。
信頼して「ありがとう」という気持ちで飲んでいると、サプリメントも応えてくれる。

安心し過ぎもよくない(P159)

少しストレスがあって、向上心が常に心の中でふつふつとしているような状態を維持しないと、病気になったりする。

自我の確立と自己実現は違う(P162)

自我の確立は競争の原理を伴う。誰かを追い抜く必要がある。自己実現は誰もがそれぞれ実現していけばいいんで、他者を追い抜く必要はまったくない。

生きている=養生を果たしていく(P168)

養生といっても、からだをいたわって長生きしようという守りの養生ではなく、もっと積極的に日々生命力を高め続けて、死ぬ時に思い切り向こうへ飛び込んでいくための、いのちのエネルギーを養う養生。

攻めの養生の推進力は「ときめき」と「ひらめき」(P169)

どちらも、いのちのエネルギーを外にあふれ出させると同時に、自然治癒力もあふれ出させる。

ときめきは、自分がときめくことなら何でも。旬のものを食べる、今食べたいものを少しだけ食べる、などもよい。

モテる=自分の持っているいのちに相手が感応する(P182)

モテる秘訣も、いのちのエネルギーを高めることにある。いのちのエネルギーをうわーっとあふれさせると、そこに人は惹かれる。

*1:全人医療とも呼ばれます。興味のある方はこちらを→日本ホリスティック医学協会会長ごあいさつ

*2:この本には断捨離は出てきませんが、おのころさんが断捨離について帯津先生に教えたのだそうです