毎日ゴキゲン♪の法則・スピ編

これからは「自分ファースト」で

マラソン「世界最高記録」樹立の瞬間に立ち会おう☆☆☆☆

ヒート
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堂場 瞬一
実業之日本社(2011/11/17)
¥ 1,785

オットが借りてきた本。一風変わったマラソン小説だ。自分は走らないのに、なぜかランニングの小説は読んでしまう。
この本も400ページ近くある大作なのに、先が気になって一晩で読んでしまった。
そのくらい面白い本だった。


話は、神奈川県知事が「世界最高記録を日本人に取らせたい。そのためのマラソン大会を作る」と言い出すところから始まる。その命は神奈川県教育局スポーツ課の職員・音無が受けることになる。
新しい「東海道ラソン」を作らなければならない。しかも、世界最高を狙える唯一の日本人・山城を口説き落として出場させなければならない。それがストーリーの縦糸だ。

そこに、「箱根駅伝」が横糸として絡んでくる。県知事・松尾も、音無も、ペースメーカーとして見込まれる不運続きの選手・甲本も、箱根経験者だ。もちろん、山城もだが、彼は「学連選抜」の走者だった――。

たくさんの人が「東海道ラソン」に翻弄される。すべてはこの大会を成功させるために、世界最高記録を“作る”ために。


読み終わったオットが、
「結局、主人公は誰なん?」
と言っていた。確かに、誰とも言えるし、誰でもないとも言える。でも、どっぷりはまれる作品だ。誰でも、好きな人に感情移入して読めるところがすごい。


最近のマラソンブームを皮肉るようなことがちらりと書かれていたり、結果を左右するペースメーカーについて切り込んであったり、見る競技として駅伝やマラソンが好きな人なら、文句なく楽しめます。
途中でやめられなくなりそうなので、時間のある時にどうぞ。
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