どうして年をとったら“おばちゃん声”になるんだろう、と祖母や母、まわりの大人を見て子どもの頃からずっと感じていた。その疑問にプロが答えてくれるのなら、と期待して読んでみた。
声優さんなど、いくつになっても声が若いので、きっと何か秘密があるのだろう、と考えたのだ。
読んでびっくり、「アンチエイジング」は、声だけではなかった。
◆目次◆
はじめに アンチエイジングと健康維持にも「声」と「話し方」が役立ちます
第1章 発声練習で体形のゆるみを解消します
第2章 腹式呼吸で気になるお腹を凹ませます
第3章 笑顔で若々しい表情を手に入れます
第4章 朗読で脳を若返らせて認知症を防ぎます
第5章 「ソ」の音を出して声から若返る
第6章 話し方で10歳若返る方法を教えます
おわりに
タイトルだけ見て図書館で借りたので、目次を見て驚いた。私がイメージしていた声の話は第5章でやっと出てくるだけで、この本の大半はそれ以外の若返り方だった。
でも、声の出し方を意識するだけで、これだけいろんな面にいい影響があるのなら、いいかもと読みながら考え方を変えた。
お腹から声を出すので、声を仕事にしている人に太った人はいない、というのが著者の自論*1。声を出すことでカロリーも消費するし、腹筋も鍛えられて一石二鳥だという。
著者が考える声のアンチエイジングは、やはり「高い声」を出すこと。年齢と共に声はだんだん低くなっていくので、これ以上ストレートな方法もない。
声帯も筋肉なので、高い声を出すトレーニングをすることで、声帯は鍛えられるそうだ。
さらに前著『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』にもあった、話すスピードもポイントになるそうだ。
確かに、声が高くて早口の人は若々しい印象だ(ジャパネットたかたの高田前社長や黒柳徹子さんが好例)。
確かに、早口でしゃべるには、それについて行くだけの頭の回転が必要だ。話すことと脳は密接につながっているのかもしれない。
最初はあまり乗り気ではなかった腹式呼吸の練習方法、顔のウォーミングアップや発声練習をいくつか試してみたところ、即効性に驚いた。
特に顔のウォーミングアップは、歯科医・宝田恭子先生もおすすめの唇や舌を動かすなど簡単なものだが、口角が上がったり、ほうれい線も薄くなるかも?と期待が持てる。
腹式呼吸も、「おへそから下は動かさず、上だけを膨らませる」という目からウロコの言葉を読んで一気にうまく行くようになった。個人的には、この言葉を読めただけでも、この本の価値があった。
著者の食事術を紹介してあるコラムもあるが、こちらは合う合わないがありそうなので、参考程度にとどめておいた方がいいかもしれない、と感じた。
魚住さんご自身がとても若くておきれいなので、「この人がどんな風にしているのか知りたい!」と思う気持ちはわかるが、この本を通して内容に関する引用・出典がまったくない*2ので、医学的根拠がないと心配な人にはやや不安が残る面も。それがこの本で唯一の残念なところだった。
ちょっと異色なアンチエイジング本。激しい運動が必要なわけでもなく、簡単なエクササイズが中心なので、気軽に試せます。
話し方についてもっと深く知りたい方は『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』から読むのをおすすめします。「アンチエイジング」が気になる方はこちらから読んで、興味が湧いたら『たった1日で声まで良くなる話し方の教科書』を読むとよさそうです。
私のアクション:寝る前の腹式呼吸を習慣化する
■レベル:破 アナウンサーが書いたアンチエイジング本はめずらしいので
以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。
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