毎日「ゴキゲン♪」の法則・暮らし編

「暮らし」をみがく読書日記。今の関心は健康的な食べ方、質のいい睡眠、時短家事です。

折れない心はタンパク質でできている?☆☆☆☆

心療内科に行く前に食事を変えなさい


今年の初め、『トリアージ仕事術』という本を読んだ。
とても面白い本で、医師である著者が仕事の効率を上げるためにさまざまな面からアドバイスしてくれる。その中に栄養面のことも書いてあった。そこで紹介されていたのがこの本だった。
読んでみたい、と思って予約して、やっと読めた。
かなり衝撃的な本だった。


           

◆目次◆
プロローグ 心療内科医の私が、なぜこの方法をすすめるのか
第1章 その心の不調は「脳のエネルギー不足」です
第2章 あなたに足りない「脳の栄養素」をチェックしてみよう
第3章 家庭で実践できる<タイプ別>食べ物、食べ方
第4章 疲れた心とからだにいいこと、驚きの新常識
第5章 食事が変われば「新しい自分」に生まれ変わる
エピローグ 栄養療法と出会った医者の使命
付録 “心のバッテリー残量”がわかる「血液データの読み方」

著者の専門は心療内科。「姫野友美」というお名前を見てもピンと来なかったが、プロフィール写真を見て思い出した。
テレビ東京系「主治医が見つかる診療所」などでよく見かける先生だった。
何で心療内科の先生なのに栄養素の話ばかりするんだろう、と見ながらよく思っていたが、この先生、分子整合栄養医学(オーソモレキュラー)*2を取り入れていたのだ*3


なかなかよくならない患者さんの現状に行き詰まっていた時に出合い、この療法を取り入れたことで多くの患者さんが劇的に改善したそうだ。

ご自身も、患者さんの回復ぶりを見て甘いものはやめ、料理にも天然甘味料を使うようになったとか。
どの栄養が分子レベルで不足しているかは血液検査で詳細に調べるそうだが、精神面で最も大きいのは実は「低血糖症」。
糖分を摂りすぎることで血糖値が乱高下し、心身に影響が出るという。

 診療内科に精神症状を訴えて訪れた300人中、なんと296人が糖負荷試験の結果「低血糖症」だったのです。これは75gのブドウ糖を患者さんに飲んでもらって30分ごとに5時間まで血糖値とインスリンの測定を行う血液検査です(P30)。

うつやパニック障害などの精神疾患にこれほど相関関係があるとは、驚いた。


低血糖症の仕組み、なぜ脳の栄養と言われるブドウ糖を摂るのがよくないのかがよくわかる。
今まで同じことを主張する本は何冊か読んだが、この本が一番納得のいく説明だった。

まとめると、こんな感じ。

糖質の摂りすぎで急激に血糖値が上がると、下げようとしてインスリンが分泌される。その結果、血糖値が下がりすぎ、脳にはブドウ糖が供給されない→眠気・だるさ、集中力の低下を起こす

脳は緊急事態のため、血糖値を上げようとアドレナリン・ノルアドレナリンを分泌する→イライラ・不安感を招く→ノルアドレナリンはセロトニンを消費するため、さらに甘い物がほしくなる悪循環

セロトニンの原料はアミノ酸の一種トリプトファン。その原料はタンパク質なので、トリプトファンを安定供給するには、タンパク質を摂る必要がある。


低血糖症以外にも、不足しがちな栄養素として鉄、ビタミンB群、タンパク質、カルシウムのチェックリストがある。
それぞれの栄養素を含む食品や効果的な摂り方がまとめてあり、自分で改善に取り組める。


巻末には、分子整合栄養医学の観点から、血液データを見るポイントも載っている。
サプリメントは天然成分で作られたものを勧めていて、選び方も簡単だが紹介されていた。
確かにお医者さんが勧めるだけあって、いい本だと思う。


ただ、著者は糖質制限推進派*4。久山町のデータも登場し、糖質制限がいいとする根拠になっていた。
「糖質を摂りすぎない、間食をしない」くらいならよさそうだが、「食品は糖質ゼロのものを選べ」などと強力に推進されるとちょっと、とも感じた。

下のメモにあるが(タンパク質をとるために、1日に食べてほしい分量)、確かにこれだけタンパク質を毎日摂っていたら、主食まで手が回らないということにもなるだろう。


明らかに不調だけど、薬はできるだけ飲みたくない、という方にはひとつの選択肢としていいかもしれない。

何となく調子が悪い、という方はまずこの本を読んで、不足していると思われる栄養素を積極的に摂ってみることから始めるのがお勧めです。


※オーソモレキュラー療法については、こちらのサイトで詳しく知ることができます→オーソモレキュラー.jp

私のアクション:納豆を食べる
関連記事

読書日記:『トリアージ仕事術
読書日記:『甘い物は脳に悪い』※別著者の本。


以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

「脳のためにブドウ糖を摂ろう」は間違い(P26)

脳がエネルギーとして燃やすのはブドウ糖だが、脳は基本的にタンパク質と脂質でできており、神経伝達物質もタンパク質が分解されてできるアミノ酸から合成される。合成過程で必要なのが、酵素、補酵素、補因子。酵素はアミノ酸、補酵素はビタミン、補因子はミネラル。

「疲れた時に甘いもの」で疲労感倍増(P143)

本来、セロトニンはアミノ酸のトリプトファンが原料。しかし甘いもの(糖質)を摂ると、他のアミノ酸を押しのけて選択的にトリプトファンが脳に取り込まれ、セロトニン合成する。
しかし、これは一時期しのぎのエネルギー補給にしかならない。セロトニンの原料となるトリプトファンが随時供給されなければ、いずれ枯渇し、セロトニンが産生できなくなる。

鉄が不足すると(P77)

骨、皮膚、粘膜の生成、代謝に鉄は必須成分。湿疹ができやすい、鼻水が止まらない、下痢や便秘をしやすい、食欲がない、という不調は、鉄不足から皮膚や粘膜が弱くなっている証拠。うつ病や神経症で見られるのどの不快感も、実は鉄不足が原因。

鉄分はコラーゲン合成を促す働きがある(P78)

ビタミンCだけでプリプリの肌は生まれない。コラーゲンの原料となるタンパク質と鉄とビタミンCが揃うことが条件。

タンパク質をとるために、1日に食べてほしい分量(P93)

卵1~2個、チーズ1~2個(6Pチーズの場合)、肉100g(大きめの赤身肉1切れ)、魚100g(大きめの切り身1切れ)、豆腐半丁、納豆1パック、牛乳200cc。これを3回の食事と間食に分けてとる。
これだけタンパク質を多く摂ると、主食まで手が回らず、さらに腹持ちもよいので、低血糖症を防ぐことができる。

食べる順番を変える(P101)

1.食物繊維を先に食べる
キャベツのせん切り、わかめや昆布、もずく、めかぶなど水溶性食物繊維は水に溶けてドロドロになるので糖質をからめ取り、消化管内の移動がゆっくりになって、血糖値の上昇が遅くなる。
2.酢を使ったおかずを組み合わせる
3.おにぎりだけ、ラーメン・うどんだけ食べない
先に低GIの野菜や海草類、きのこ類や、タンパク質(肉類や魚介類、ゆで卵など)、乳製品(牛乳、チーズやヨーグルトなど)をお腹に入れておくのがポイント。
4.砂糖以外の甘味料を使う
コーヒーやヨーグルト、料理の味つけには砂糖以外の天然甘味料や人工甘味料を選ぶ。
5.食後30分以内に運動をする
食後の血糖値が上がっている時に筋肉を動かすと、インスリンを必要とせずに糖が使われるので、低血糖を防ぐことができる。
食後30分以内に15~20分の散歩がおすすめ。

間食はよく噛んで食べるものを(P145)

咀嚼を15~20分行うと、セロトニンが分泌される。

疲れて甘いものを食べていいのは、肉体労働した時だけ(P145)

折れない心の素はタンパク質(P150)

ストレスがあっても、忙しくても、「まあ、なんとかなるさ」と前向きに考えられるようになるには、神経伝達物質が正常に働くこと。
(中略)
そのためには、神経伝達物質や神経栄養因子の原料となるタンパク質をとることが大切。充分なタンパク質がなければ、心身の基礎を強固なものにはできない。

糖質を多く摂っていると、タンパク質が変性を起こして、シワやたるみの原因になる(P200)

鉄不足の食べ方のコツ(P75)

・ヘム鉄(肉・魚)を摂る
鉄は、体内で吸収される時は必ずタンパク質と結合して運ばれるので、肉や魚、卵や乳製品、豆腐・大豆などを摂ることも大切。
・ビタミンCと一緒に摂ると吸収力アップ
・味つけに酸味(酢や梅干しなど)や辛み(こしょうなどのスパイス)をプラスすると、胃酸の分泌が促されるため吸収されやすくなる。

*2:「栄養療法」「分子整合医学」とも。

*3:先日読んだ『がんばる人ほど老化する』にも登場された、生田哲先生も第一人者です。私は生田先生の著書で初めて知りました

*4:治療も糖質制限が前提だそうです