毎日ゴキゲン♪の法則・スピ編

これからは「自分ファースト」で

枯れてしまう前に手を打とう☆☆☆


書店で見かけ、帯に「林真理子さん推薦」と大書されているのを見て興味を持った本。
老化に対するさまざまな考え方や対処法が紹介されていて、読みごたえがあった。


◆目次◆
はじめに
序章 ホルモンが大変化する「思秋期」を知っていますか?
1章 45歳で一気に老ける人と若々しい人の差
2章 どうすれば、ホルモンの「枯れ」を防げるか?
3章 「脳」は何から老化する?
4章 1歳でも「外見」を若く!?最新美容技術のリアル
5章 この食事が「体の酸化」を防ぐ
6章 思秋期からの「お金」と「仕事」
7章 この先の人生で、まだ「がまん」を続けるのか?
おわりに

和田秀樹さんと言えば、勉強法をはじめとしたHowtoものをたくさん書いている人、という印象だ。本の後ろにあるプロフィールを読んで「ああそうだ、お医者さんだった」という程度の認識しかなかったので、本業は精神科医、それも専門は高齢者ということは今回初めて知った。

また、アンチエイジングの権威であるフランス人医師と知り合って感銘を受けたことをきっかけに、ご自身でもアンチエイジングのクリニックを開かれたのだそうだ。
しかも、ご本人もヒアルロン酸やボトックス注射をされているという*1


この本の目的は、前書きにあった。

 本書で目指すところは、なるべく老いないためにはどうすればいいのかと、老いてしまったときにどんなふうに老いていくべきなのかを、成功モデルから考えることである(P4)。
(中略)
 本書は、私の高齢者専門医、こころの専門医、そしてアンチエイジング実践家として、青年から老年の過渡期、生殖期から中性化の過渡期の生き方のヒントを提言するものである(P6)。

医師で、ご自身もいろいろ実践している著者の“アンチエイジング本”はなかなかないだろう。しかも、食事、ホルモン補充療法や、病院でできる若返りの方法など全方位を網羅している内容。やるやらないはともかく、今はこんな方法があるんだ、ということは知っておくといいと思う。


だが、私が一番説得力があると感じたのは、「精神的に若い人は見た目も若い」という話。
実は、老化は体でも記憶力でもなく、感情をつかさどる前頭葉から始まるのだそうだ。気持ちの若さとも関わる部位だという。


さらに、老化を実感してからあわてていろんなことに手を出し、お金をつぎ込む人が多いそうだが、それではお金をかけたわりにリターンが少ないという。
この本を読んで、やるなら早めに手を打たねば、と思った。


もうひとつ、面白かったのはお医者さんなのに「健康常識を疑え」という考え方。
日本の医師は病気を治すことは得意だが、病気にならないための予防の知識はほとんどないという。
なので、医師が言うことを鵜呑みにするのは実は危険だそうだ。薬を言われるままに飲むリスクなどにも触れられていて、説得力があった。以前読んだ『絶対に、医者に殺されない47の心得*2も、医師なのに薬を安易に飲むことに警鐘を鳴らしていて、ちょっと驚いたが、それだけ「自分の健康は自分で守る」意識が大切なのだろう。

「知っているかどうかで大きく差がつく知識」というものがあるが、この本に書かれた内容もそのひとつだと思う。
早めに取り組むのが成功の秘訣、ピンと来た方はぜひ読んでみてください。
私のアクション:家の外にも自分の居場所を作る
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以下は私のメモなので、興味のある方はどうぞ。※メモに関してこちらをご覧ください。

「1日3食+間食」がやっぱりベスト(P178)

朝・昼でタンパク質を摂り、「4時」におやつ、夜は野菜をメインに

若々しく活動的でいることが、性ホルモンの分泌を促す(P97)

旅行に行ったり、新しい音楽を聴いたり、映画を観たり、美味しいものを食べたりといった、刺激のある環境でいることが非常に大切で、やはり若々しく活動的でいることが海馬にとっても性ホルモンの分泌にとっても、よい効果をもたらすのである。

ストレスはホルモンの活動性を低下させる(P98)

…自分を楽しませるように日々、面白おかしく暮らしていれば、ホルモン分泌は良好になるということ。結局のところ、小さなことにくよくよせず、楽しんで日々を送るという姿勢こそが、精神面だけでなく肉体面でも老いを遅らせる秘訣になるのだ。

運動よりも「頭」を使え(P116)

頭を使って物事を考えている人は総じて若く見える。

体の酸化が老化の原因(P160)

つまり、私たちが心がけるべきことは「細胞の炎症を防ぐ」=「体の酸化を防ぐ」こと。
(中略)
炎症を最小限に抑えるためには、
1.細胞が必要としている栄養素をきちんと送り届けて丈夫にすること
2.炎症が起きた時には速やかに修復できるようにすること

お金を使うなら老後ではなく思秋期(P188)

60代、70代になってあわてても手遅れ。
思秋期の頃から小出しにメンテナンスをおこなっておく方が、若さを長く保てるし、病気や老化も防げる。
老化を遠ざける生活を今から送っておけば…結局は老人になってからもお金がかからないのだ。

思秋期は最後の大転換期(P204)

思秋期を過ぎてしまえば、本格的な老後がやってくる。もちろん老後であっても、気力にあふれていれば新しい出発をすることも可能なのだが、やはりまだ頭も体も元気なうちに人生の軌道修正をしておく方がいい。

「不安」はコントロールできないが「行動」はできる(P207)

精神療法のひとつである森田療法にヒントがある。森田療法とは、不安や葛藤を打ち消したり、取り除いたりするのではなく、それもあるがままの自分として受け入れて、今の自分のままでできることはないかを探す。
今抱えている不安は置いておき、服を買いに行ったり、きれいにお化粧をして外出してみたり、友人と楽しくおしゃべりをしたりするのもよい。

新しく自己愛を満たされる環境を作る(P211)

自己愛を満たす機会がどんどん失われるのが40代からの人間関係。
自分が活躍できる場を、仕事や家庭の外にも見出しておくことは重要。

対人関係のがまんが寿命を縮める(P228)

…ストレスは細胞を傷つけ、炎症を起こし、肉体にも精神にも負担をかけ、さまざまな老化現象を加速させたり、癌などの病気に直結させてしまったりする。
…ある程度のがまんを重ねて成熟した年代になってきたら、もう必要以上のがまんをすることもない。思秋期に入ったら、あとは自分を大切にしていくことを考えるべき。

建前を減らし、本音を増やす。他人の目ばかりを気にするのではなく、行動基準を自分の中の本音に見つける。
それが楽しく、若々しい人生を生きるための近道。

*1ブログに顔写真が出ています。1960年生まれだそうなので、確かにお若い印象です

*2:神戸大学病院の医師・岩田健太郎さんの本。すみません、まだ読書日記が書けていません