毎日「ゴキゲン♪」の法則・暮らし編

「暮らし」をみがく読書日記。今の関心は健康的な食べ方、質のいい睡眠、時短家事です。

砂糖もコレステロールも体には必要☆☆☆☆


先に読んだ『インバスケット実践トレーニング』の巻末広告で見かけた本。あおるようなタイトルに、何が書いてあるのか興味が湧き、借りて読んでみた。
びっくりするようなことが書いてあった。


◆目次◆
第1章 「高血圧には降圧剤」なのか
 血圧の下げすぎで死亡率は高まる
 塩分は高血圧の犯人?
 高い血圧には理由がある
 降圧剤で半身不随に?
第2章 「肥満が糖尿病を引き起こす」のか
 古代エジプトの時代からあった糖尿病
 インスリンの作用
 内臓脂肪からの分泌物
 ポイントは腹囲と腰回りの差
 II型糖尿病患者の9割がやせている
 ストレスこそが糖尿病のもと
第3章 「カロリーは控えめがいい」のか
 カロリー減で抵抗力も減少
 少し太めが健康長寿
 飢餓状態で活性化される長寿遺伝子
 高等動物ではカロリー制限の効果はない
 ヒトの脳を維持すつには、膨大なエネルギーが必要
第4章 「コレステロールは悪者」なのか
 コレステロール値の低い人は、認知症になりやすい
 コレステロールは脳に重要な材料
 脳梗塞になっても重度化しない
第5章 「砂糖は体に悪い」のか
 砂糖は寿命を縮めない
 砂糖は肥満の原因ではない
 砂糖は脳の機能に欠かせない
 甘味はうつを改善、予防する
 砂糖は幸せ感、記憶力を高める
第6章 「3人に1人ががんで亡くなる」のか
 死亡者は増え、死亡率は減る
 「死んだ者の統計」で生きている者をはかれない
 がんが治っても平均寿命はさほど伸びない
 人は寿命が来れば死ぬ
第7章 「認知症の原因は高齢化」なのか
 認知症の人には愛情が必要
 アルツハイマー病の原因は老人斑
 認知症になりやすい人は?
 ストレスが認知症を呼び寄せる
 予防には生活を積極的に楽しむ
 家族とは意思を伝え合うことができる
第8章 「うつ病抗うつ剤で治る」のか
 薬の乱用がうつ病を増加させる
 軽度の人ほど要注意
 抗うつ剤うつ病を増やす
 抗うつ剤は偽薬効果しかない
 うつの気配を感じたら
 心を伝えられないもどかしさ
 うつ病治療は、ゆっくりじっくり
第9章 「植物状態の人には意思はない」のか
 本当は理解している
 コミュニケーションを諦めない
第10章 元気な百歳になる食べ方
 「ヘルシーフード」がヘルシーとは限らない
 「朝食は大切」の理由
 朝、昼、夜の栄養バランスを考える
 脳梗塞が心配ならレバーを食べる
 高血圧の人にすすめる肉の食べ方
 糖尿病が気になる人には
 遺伝子でコレステロール値の高い場合は
 調理法により変わる食肉の栄養成分
 揚げ物はダイエットの敵か
 食材の数と死亡率
 肉と一緒に食べて効果的な食材は
第11章 iPS細胞の臨床応用への不安と期待
 失明を食い止める
 iPS細胞が眼から大脳へと至る道
 iPS細胞には限界がある

目次を見て、ぎょっとする人も多いと思う。そのくらい、一般的な説と違うものがずらりと並んでいる。

著者の専門は生理学・血液学・脳科学で、長年栄養が健康に及ぼす影響を研究してきた医師だ。
昨年には多くの海外の大学と共同で、食と健康に関する国際プロジェクトを発足させたという。

本書は、私たちの長年の研究から間違いのないと思われるデータのみを引用し、みなさま方の健康に対する不安に答えようと企画されました。
(中略)
本書では、現在までのところで、学問的に正しいと思われる、エビデンスのある健康法についてくわしく述べました。読者が、これまで健康について抱いていたイメージをがらりと変えてしまう内容も多く含まれていると思います(P7-8)。

と前書きにある通り、たくさんのデータを元に持論が展開されている。


私はこういう本が好きでよく読んでいるので、血圧やうつに対する薬物治療の問題、コレステロールは本当に体に悪いのか、といったことは読んだことがある。
また、動物性タンパク質も摂った方がいいよ、粗食は危ないよという説は『50歳を過ぎたら「粗食」はやめなさい!』『介護されたくないなら粗食はやめなさい ピンピンコロリの栄養学』で読んだ*1


しかし、ここまで砂糖を必要なものだとする説は初めて読んだ。お砂糖を普及させる団体の広告かと思ったくらいだ。
ただ、よく読んでみればちゃんと科学的根拠はあるようだ。

  • 脳の栄養になるのはブドウ糖だけ。砂糖は速やかに分解され、ブドウ糖になる
  • 脳に必要な物質(例:トリプトファンセロトニンの材料になる)は、単独では脳の関門を通過できない。ブドウ糖と一緒なら通過できる
  • 甘みはうつを改善、予防させる
  • 砂糖の摂取量は減少傾向にあるが、II型糖尿病は増加している→砂糖は糖尿病の原因ではない
  • 砂糖はやる気を引き出し、幸福感や記憶力を高める
  • 上白糖(白砂糖)は精製したもので、漂白はされていない(化学薬品も使っていない)。黒砂糖との違いはミネラルを含むかどうかだけ

著者の結論は、「砂糖は健康に悪いと思って無理に我慢することはない」。
甘いものはおやつ・夜食などで団らんやコミュニケーションを持つ効果もあり、節度をもって楽しめばよいという。

他にも、コレステロールは脳に必要な物質であり、コレステロール脳梗塞を予防したり、発症しても軽症に抑える働きがあるとか、お肉は食べた方がいいとか、牛乳は体にいい食品だとか、食べものに気を使っている人が聞いたら怒り出しそうな内容ばかりだ。

食べものに関する説はどんどん変わり、昨日までいいと言っていたものが急に否定されたりするので鵜呑みにするのは危険だと思う。
ただ、正反対の説もあるのなら、それも頭に入れておき、自分はどうするのかを考えた方がいいと思う。
著者も、自分の健康を医師任せにするのではなく、正しい情報を知って自分で判断できるようになることを勧めている。


結局のところ、自分に合うかどうかは1人ひとり違い、自分で試してみるしかない*2

長年、栄養の研究をされているだけあって、それに関する章はどれも読みごたえがある*3
3章は死亡率に関する話で、「統計学のひずみ」などがテーマなので興味のある人には面白いはず*4

こういう説もあるんだな、と頭のバランスを取るために、健康に気をつけている人ほどぜひ一読をおすすめします。
私のアクション:甘い物も適度に、罪悪感なく食べる

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読書日記:『大往生したけりゃ医療とかかわるな 』


※この本のメモはありません

*1:おそらく、10章の内容は一部この2冊と同じデータをもとにした内容になっています(秋田県における6年間の追跡調査)

*2:私自身は、粗食とか、菜食主義に近い食事よりも、何でも食べた方が元気になれたので、現在はこの本の10章で勧めるような食生活を目指しています

*3:9、11章はちょっとオマケっぽいかもしれません

*4:私は数字に弱いのでうまく理解できず、「この手の死亡率はあまり気にしなくていいんだな」ということがわかっただけでした…