毎日ゴキゲン♪の法則・スピ編

これからは「自分ファースト」で

菌と仲良く

菌子ちゃんの美人法
青木 皐
WAVE出版 (2006/7/24)
¥ 1,260


この頃「常在菌」という言葉をよく聞く。腸の中にいる細菌もそうだし、皮膚表面にも菌はたくさんいるそうだ。著者の本業は「微生物制御」というもので、食品工場や病院での感染防止について研究・実践されている。いかに細菌と共生するかがこの本のテーマ。大腸菌アクネ菌など「悪者」とされている菌も100%悪者ではなく、環境によってマイナスの働きをするのだそうだ。この本ではどうすればいい働きをしてくれるのか教えてくれる。


面白かったのはやはり「洗いすぎはよくない」ということ。佐伯チズメソッドでも洗いすぎたらダメと言われているが、常在菌が肌から流れてしまうので「育菌」の面からも洗いすぎない方がいいそうだ。ほかにも、抗菌・除菌・消臭をよしとする今の風潮がいかに常在菌を痛めつけているかがよくわかる。人間だって動物なんだから、匂いがあるのは当たり前、過剰に清潔にすると菌が減り、体は弱くなってしまうのだそうだ。


育菌を意識して生活すると、汗をかくよう運動し、体を温め、食事に気をつけ(サプリメントは菌のエサにはならないそうだ)、睡眠や生活のリズムを意識しストレスを溜めないよう心がけるなど、自然に健康的な生活になるところが面白い。
「菌を育てる」という話に力を入れるあまり、菌子ちゃんのうんちとおしっこがやたらと出てくるのにはゲンナリしたが、とても興味深い話が多かった。便秘解消法なども載っているので興味のある人はぜひ読んでみてください。


しかし、学校の授業では乳製品は摂ってはいけないもののトップに挙げられるのに、ここでは育菌のため毎日ヨーグルトを摂りましょう、となっている。世の中には山ほど健康法があり、どれが正解かは自分の体で試すしかないのかも。乳製品は摂るなと耳にたこができるほど言われるので長年作り続けていたカスピ海ヨーグルトをやめたばっかりなのに。やれやれ。

以下はメモです。

夜帰宅したら、まず手と顔を洗うこと。

油性の汚れを放っておくのは菌を座敷牢に閉じこめておくようなもの。刺激の少ない洗顔料でやさしく洗い、30℃くらいのぬるま湯ですすぐ。こすらないように注意する。

化粧直しは肌のファンデーションや口紅を取ってから。

上から塗るのは「菌の厚塗り」。優等生の菌が窒息死してしまうので避ける。

メイク断ち日を作る

メイクをするとどうしても洗いすぎの原因になるので、週に1日はメイクしない日を作る。その日は刺激の少ない洗顔料でやさしく洗う。毛穴の汚れが気になる人は毛穴の自浄作用を高めるために「たくさん汗をかく日を週1回作る」「洗顔ではこすりすぎない」を実践するとよい。

1日1.5リットルの水を摂る

菌は乾燥を嫌うので、肌表面だけではなく体内の水分補給も心がける。食事や呼吸で得られる代謝水を除くと、1日に1.5リットルは摂る必要がある。

汗をかく

汗をかくことで肌表面の菌が増え(汗は菌のエサ)、体温を上げることで腸内の菌も活発になる。この頃は冷房完備のため汗をかく機会が減り、もともとは匂いのないエクリン腺から出る汗も匂う人が増えている。

皮脂腺を守る

皮脂腺が苦手とするのが乾燥。肌が乾燥すると化粧品に気を使うなら家に湿度計を置き、常に60~65%になるように気をつける。
・冷暖房に頼りすぎない
・冬は加湿器を使う
・体を洗いすぎない
・静電気を起こしやすい化繊の衣服は避け、吸湿性と肌ざわりがよい綿や麻・毛にする
・ストレス、睡眠不足、過労など血液循環が悪くなることを避ける
・変色は肌のターンオーバーが狂い乾燥しがちになるので、栄養バランスに気をつける

ヨーグルトを摂る

ヨーグルト中の乳酸菌の腸内寿命は3日~1週間ほどなので、毎日もしくは2・3日に1回こまめに摂ることが大切。1回に100グラムくらい、食後に食べるのが理想的(空腹時だと胃酸のため生きたまま腸に届く乳酸菌がへってしまうので)。